前回までに Rasberry Pi に、rasbian linux をインストールし初期稼働するまで行いました。
ここからは、実際に rasbian の設定を行っていきます。
基本的に、rasbian の設定を行うには Rasberry Pi に、ディスプレイ、キーボード、マウス、ネットワークを繋げてGUIで作業する方が Windows感覚で作業できるので効率的かもしれません。
しかし、ディスプレイが1台しかない環境下では、調べながらの作業となるので毎回繋げ直したり、HDMI切替スイッチを使用しない限り効率が下がります。
そこで前回、少し触れましたがネットワーク経由で、Windowsからの作業を行いたいと思います。
ここから先は、グラフィカルな作業ではなくコマンドでの作業(CUI)で行います。
必要なソフトは、Poderosa などの SSH 接続可能なソフトを使用します。
SSH接続するには、Rasberry Pi が接続している自宅内又は、社内でのIPアドレスが何番なのか知る必要があります。通常は、自ネットワーク内のルータで DHCPが稼働していると思うので、ルータ内のログを確認すれば IPアドレスを知る事が出来ます。
どうしても IPアドレスが分からない場合、Rasberry Pi に、ディスプレイとマウス、ネットワークを繋げて GUI画面の右上にディスプレイが2つ重なったアイコンにマウスカーソルを移動して下さい。
するとポップアップが表示され、Rasberry PiのIPアドレスを知る事が出来ます。
Rasberry Pi の IPアドレスが分かったところで、Poderosa などから SSH 接続を行います。
この時、ユーザー名とパスワードが必要になります。
インストール直後の初期ユーザー、パスワードは
ユーザー名:pi
パスワード:raspberry
となっています。
パスワードで ras の後、p が入っていますので注意して入力して下さい。
ログインが正常に行われると、素っ気ない文字だけの画面が表示されます。
昔は、このような画面がメインであり、GUI で作業を行うのは珍しい事でした。
(昔と言っても十数年前の遥か昔です・・・)
ただ、CUIで作業する事に慣れておくと後々便利です。GUIは、同じLinuxベースのOSでも
設定箇所や見た目など、それぞれ違いがあります。
また、 Rasberry Piのような最小限の機器の場合、GUIを起動するだけで CPUやメモリーを消費し動作速度に影響が出ます。
速度にストレスを感じるより、Linux全般で共通性の高いコマンドを覚えた方が後々役に立つと思います。
話しが反れてしまいましたが、コマンド画面が表示されたら初期設定のメニューを
sudo raspi-config
で起動してください。
設定する箇所としては、
メニュー最上段でMicroSDカードの領域拡張
2段目で現在ログインしているユーザー(pi)のパスワード変更
4段目で時間と使用する言語(日本語)の設定
を行います。
操作は矢印キーとEnterで行い、tabキーで最下段の Finish でメニューを終了する事が出来ます。
上記の3か所の設定が終了したら、念の為に一度、再起動しておきましょう。
sudo reboot
再起動の終了は、ネットワークケーブルを繋いだLED部分を見ておくと大体の目安になります。
起動が終われば、先程と同じように Poderosa で SSH接続を行います。
この時、上記メニューでパスワードを変更していれば、変更されたパスワードが適用されているので、間違えないようにしてください。
コマンド画面が表示されたら、次はファームウェアの更新を
sudo rpi-update
で行って下さい。
ファームウェアの更新は、頻繁に行う必要はありませんが、数か月に1度は行った方が良いと思います。
次に、rasbian のアップデートを行います。このアップデートは、Windows で言う、WindowsUpdateのようなもので、定期的に行う必要があります。
但し、アップデートは苦労して行った設定を初期に戻してしまうものもあるので、注意が必要です。
また、Windowsのように勝手にWindowsUpdateが動く仕組みになっていません。
自身で、crontabなどで設定する必要があります。
アップデートを行うコマンドは
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
の2つのコマンドで実行します。
1つ目のコマンドは、混雑時には失敗する可能性があるので、Errorが出た場合は何度か実行する事もあります。
アップデートは、使用されている回線にもよりますが、約30分程で終了します。
ここで1度
sudo reboot
で再起動しておきましょう。
次に、日本語のフォントと日本語入力をインストールします。
コマンドは
sudo apt-get install fonts-vlgothic ibus-anthy
を実行します。
次に、Windowsの標準リモートディスクトップ(Windows7の場合、アクセサリ内にあります)を使用して、rasbian の GUIを操作できるようにします。
コマンドは
sudo apt-get install xrdp
を実行します。
このコマンドを実行した後、念の為、再起動すれば Windows から GUI操作ができるようになります。
Windowsからリモートディスクトップを起動し、Rasberry Pi のIPアドレスを入力。
ユーザー名とパスワードを求められるので、ユーザー名:pi パスワードを入力すれば操作可能になります。
ここまでで初期設定は終了です。